アメリカのソウル・ミュージックに影響を受けたイギリスのミュージシャンは多く、白人ながらもファンキーなビートに、フェイクやシャウト駆使したサウンドを提供してくれるホワイト・ソウル・シンガーの一人が今日ご紹介するジェス・ローデン。
元々は1967年にアラン・ボウン・セットでデビューし、ブロンコやドアーズ+ゴンザレスのメンバーと組んだバッツ・バンドに在籍していたが、アラン・トゥーサンがプロデュースした1974年『Jess Roden』でソロ・デビュー。
本作はレオン・ペンダーヴィス(クインシー・ジョーンズやロバータ・フラックとの仕事でお馴染み)をアレンジャーに迎えた彼の1977年作2n dアルバムにあたる。
英国産ブルー・アイド・ソウルのシンガーといえば女性ならダスティ・スプリングフィールド、男性ならロバート・パーマーの名前が真っ先に思い出されるが、個人的に一押ししたいのが、このジェス・ローデン。
レーベルもロバート・パーマーと同じ、Island Records。
バラード、ジャジー、R&Bと幅広いジャンルを軽々と歌いこなすジェス・ローデンというシンガーは只者ではない。
R&Bやソウルを基本にしているだけに、その辺のAORシンガーよりも歌は上手い。
Contents
聴きどころ
①Misty Rosesでソフト&メロウとも言えるイントロ、エレピをバックに歌うジェス・ローデンのヴォーカルは本作が好盤であることを期待させてくれるには充分の内容だ。
ソロもギターではなく、サックスがとっているところも洗練されている。
続く②Sensationでは心地好いエレピが揺れ、ヴィブラフォンが響くジャジー・バラード。
名手ジョン・トロペイの印象的なソロに絡み、ローデンはジョージ・ベンソンばりのスキャットを聴かせてくれる。
レイ・チャールズが歌ったファンキー・ミドルな③Lonely Avenueはパンチの利いたヴォーカルとゴスペル調コーラス・ワークが実に黒い。
壮大なストリングス・アレンジが光る④The Quiet Sound Of You And I、同じくストリングスとエレピ、サックスが利いている⑤The Hardest Blowでのヴォーカルも聴きもの。ローデンのヴォーカルを堪能するには打ってつけの曲達だ。
ラストはパーカッションのビートが気持ちイイ、ファンキー・アップ・チューン⑧In Me Tonightで締め。
アンソニー・ジャクソン、フランシスコ・センテーノ(B)、ジョン・トロペイ(G)、アーノルド・マッカラー(BGV)等N.Y.のトップ・ミュージシャンを起用したおかげもあり、洗練されたサウンドに仕上がっている。
全体的にエレピを中心にストリングスが包むようなサウンド・プロダクションは完全にAORと言っても差し支えないだろう。
87点
データ
1977年:イギリス(Island Records ILPS 9506)
プロデューサー:ジョエル・ドーン
1. Misty Roses
2. Sensation
3. Lonely Avenue
4. The Quiet Sound Of You And I
5. The Hardest Blow
6. Drinking Again
7. Woman Across The Water
8. In Me Tonight
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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