ジョン・ファーラーといえば一般的知名度はあまり無いかもしれないが、同郷であるオーストラリア出身の歌姫オリヴィア・ニュートン・ジョンのプロデューサー、ソングライターとして名を馳せた人物。
唯一のソロ作品が本作である。
アメリカのみならず、日本でも非常に人気が高いオリヴィア・ニュートン・ジョンの存在があまりにも大きいのでジョン・ファーラーのみにフォーカスを当てるのは難しい。
しかし、Have You Never Been Mellow(75年)をはじめ、Hopelessly devoted to you(78年)、最高傑作とも言われるMagic(80年)といったヒット曲の作者であり、プロデューサーを務めていたのだから実力者であることは間違いないのだ。
I honestly love you(75年)にはグラミー賞のレコード・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど輝かしい実績を持つ。
Contents
聴きどころ
本作を聴いてオリビアの次作『physical』でモンスターヒットを放つ作品を手がける予兆が感じ取れる・・・・わけがない。
どう考えても本作を聴いてphysicalのような作品が出てくるようには思えないほど柔らかなサウンドを散りばめたポップ・センス。
①Recklessはなんと、本作が発売されてから約30年経過した2008年にオリヴィア・ニュートン・ジョンとのデュエットという形で発表される。
仰々しいイントロに時代を感じるが、歌い出しのヴァースでAORらしく優しい歌声が聴ける。
そしてコーラス部分でハイトーンまで披露。
決して歌が上手いわけではないし、ヨレているヴォーカルも味わい深く感じるのは歌声とサウンド・プロダクションのおかげだろう。
ハイトーンを駆使した⑥Recoveryも記憶に残る作品だ。
長年、廃盤状態が続き、再CD化されるのを心待ちにしていた方も多かったはず。
強烈なインパクトが残るというわけではないが、手堅く守られたAORマナーを知るには良い一枚。
参加メンバー
エド・グリーン(Dr)、マイケル・ボディッカー(K)、TOTOのマイク・ポーカロ(B)、BREADのマイケル・ボッツ(Dr)、そしてAORのシンガーソングライターとして評価が高いトム・スノウ(P)が参加。そのトム・スノウとは共作で3曲作り上げている。
82点
データ
1980年:アメリカ(Columbia – JC 36475)
プロデューサー:ジョン・ファーラー
1. Reckless
2. Tell Someone Who Cares
3. Can’t Hold Back
4. Gettin’ Loose
5. Cheatin’ His Heart Out Again
6. Recovery
7. It’ll Be Me Babe
8. Falling
9. From The Heart
コメント