いつもはオススメするアルバムのご紹介をしているが、この度、私が所属するTHE NIGHT FLYERが久しぶりにアルバムをリリースした関係で、その内容について私からの目線で触れさせていただきたい。
今回は本体のダウンロードカードとは別売でジャケットをご用意し、Vo小池と共に1曲ずつ振り返ったエピソードが掲載されているので、そちらとはなるべく被らない内容でお届けしようと思う。
手前味噌で恐縮だが、1曲ずつ少し専門的な内容含めて書き記していこうと思うので、ご興味ある方はぜひ一読して頂ければ嬉しい。
全曲記すには少々長いので、今回と次回の2回に渡ってお送りする。
今回収録した楽曲は全部で13。
録った曲を全て収録するのではなく、厳選して入れるというのは以前からマストでやりたかったこと。
60〜70年代のポップス、ロック・サウンドを中心にした楽曲を制作するというのがコンセプトだったので、それを凝縮した内容になっている。
主にソフトロック、フォーク・ロック、ウエストコースト・サウンドからブリティッシュ・ロック、フレンチ・ポップまでの影響が色濃く反映した。
Contents
アルバム収録曲
①Dear Lynnは今回収録曲の中で一番最後に作った曲で、我々が最も影響を受けているであろうカーペンターズを手本に作った曲。
リチャード・カーペンターの愛機であったウーリッツァーを中心に「Top Of The World」「Those Good Old Dreams」のようなカントリー・ポップに仕上げた。
ベースはFenderのJ-Bassで、60年代仕様の2スタックノブの物を使用。
この曲に限らず、現在のナイフラ・サウンドでは「ジョー・オズボーン(カーペンターズ、サイモン&ガーファンクルのバックを務めた)のベース」が手本になっている所から、この曲などはそのまま。
ジョーの特徴的なベース・ラインを再現したり、弾き方を含めたベースのサウンドなどもドンズバを狙っている。
ベースラインとしてはカントリーということで、付点16分の連続。シンプルなラインである。
また4弦をほとんど使用しないのはジョーについて触れたコラムでも書いたが、その他でもスライドでのニュアンスをかなり大事にしている様子を再現。
②SILYはフォーク・ロック・デュオ、サイモン&ガーファンクルのようなサウンドを狙ったアレンジ。
手本とした楽曲を初めて聴いた時「ここまで弾きまくって良いのか」と思うほど珍しくジョーが弾きまくっていて同じ様な雰囲気を試みたが、ヴォーカルの邪魔をしないことと、やはり別曲なので最終的には少し落ち着いたベースラインになった。
アコギがメインと捉えているので、ベース本来の役割である低域で支えることよりもカウンター・メロディの様なラインをハイポジションで弾くというのが狙いだった。
メインとなるアコギに関してはポール・サイモンを意識して強弱をつけたコード・ストローク。
また、ドラムはハル・ブレイン(ジョーと一緒にカーペンターズ、サイモン&ガーファンクルのドラムを担当)を意識して彼が愛用していたドラムセットの種類、サイズ、サウンドを見直した上でシミュレーション、フレーズも1から作り直した。
ノリ(ハネ具合やどのぐらい音を突っ込むか)も様々な資料から算出した上で表現してみるという・・・・まぁここまで来ると完全な自己満足も大いにプラスされているわけだが(笑)、そこはドンズバとはいかず難しいところ。
音楽が本当の意味で自由だった頃の雰囲気を出したかったので、ドラムやベースを左右パンを振ってしまっている。
③ロスト・ワンダフル・ワールド
こちらも仮想カーペンターズ・サウンドだが、途中でTOTOのヒット曲「Africa」のイメージが出てきてしまい、歪んだギターをポイントで使うことにトライしてブレンドさせてみた。
ジャケットのライナーでも話しているが、ずっと眠っていたデモから掘り起こして形にした曲。
カーペンターズ+TOTOということで、ジョー・オズボーンとデヴィッド・ハンゲイト(個人的にサガワが一番好きなベーシストで、元TOTOのメンバー)が登場してくる。
④ジーザス!
これこそ「カントリーを作ろう」というコンセプトありきで作った曲。
カーペンターズの「Jambalaya」や「Those Good Old Dreams」、イーグルスあたりのサウンドを参考にベースはやはり付点16分にの連続フレーズ。
冒頭部分はFender P-Bass、楽曲中はJ-Bassと切り替え。
そしてカントリーの曲には欠かせないバンジョーを取り入れた。
⑤夜間飛行
今回の中で一番ロックな楽曲だったので、70年代ウエストコースト・ロックをコンセプトに新たに制作。
私が加入前からあった曲で、当時は8ビートだったが、今回は16にしてカッティングのリフやサビでのクリーンなアルペジオと、アコギなどはドゥービー・ブラザーズやイーグルスあたりのサウンドがお好きな方に納得いただけるのではないかと思っている。
というわけで、仮想ベーシストはドゥービーの黒人ベーシスト、タイラン・ポーター。奇しくも彼が使用していたベースと同じB.C.RichのBass(使用頻度は少ないが、私のメイン機扱い)を今作で唯一使用。
ベース・ラインに関しては実際に演奏していた数年前から2、3回は変わっており、録音自体も何度かやり直している。
⑥あれから
どこからどう切り取ってもイギリスのプログレッシヴなロック・バンド、プロコル・ハルム。
となればVoのゲイリー・ブルッカーが弾くピアノとマシュー・フィッシャーのオルガンという2枚キーボード・サウンドが看板。
とはいえ、ピアノに関しては本家と同じくコードのストロークのみで、楽曲のメインとも言える顔役は、やはり特徴的なオルガン。
ゲイリーの作る曲はファンキーさを感じるが、マシューの作る曲は荘厳な雰囲気で、また違った魅力がある。
今回は後者を元に制作。ベースはデイヴィッド・ナイツが「A Whiter Shade of Pale(邦題:青い影)」で弾いた様に8ビート。途中、コード外の半音を使う所までマニアックに真似てみた。
またしても自己満炸裂。ラストの方は勢いでダブルストップを入れてしまった。
というわけで、続きは次回で。
今年1年、当ブログをご愛顧いただきましてありがとうございました。
データ
2023年:日本
プロデューサー:ザ・ナイトフライヤー
1. Dear Lynn
2. SILY
3. ロスト・ワンダフル・ワールド
4. ジーザス!
5. 夜間飛行
6. あれから
7. 悪魔のススメ
8. 花嵐道中
9. アフターアナザー
10. ザ・ナイトフライヤーのテーマ
11. ファンファーレ
12. THINGS -prelude-
13. THINGS
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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