Veronique Sanson / Amoureuse

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フランス初とも言われるシンガーソングライターの一人、ヴェロニク・サンソン。

高い歌唱力と自ら作る楽曲のキャッチーなメロディー・センスはもっと評価されても良い音楽家の一人だ。

Contents

ストーリー

20代前半の一時期、父親の仕事関係で神戸に住んでいたことで宝塚を観て影響を受けて自身の歌唱に取り込んだという。

彼女といえば切っても切り離せないのがミシェル・ベルジェの存在。

ミシェル・ベルジェといえばフランス・ギャルの旦那様として、プロデューサー、シンガーソングライターとして「パリの司令塔」の異名を取る実力者。

ギャルと結婚する前はこのヴェロニク・サンソンと親しい仲であり、プロデュースをしていたこともある。

ピアノで弾き語る楽曲を聴いていると、やはりベルジェの影というか影響が感じられる。

作風の端々にベルジェ節とも言える箇所が出ているのだ。

イェイェのシンガー達と一線を画すのは、アイドル的要素(彼女の容姿も美しいが決してビジュアルやキャラクター先行ではない)が無く、一貫して自作自演で活動している点だと思う。

おかげで、ミシェル・ポルナレフ、ジュリアン・クレールと並ぶフランスを代表するSSWの一人、エディット・ピアフ、バルバラと並ぶシャンソン歌手の一人にも数えられる。

こういったエピソードからも彼女の実力が正当に評価されてアメリカを代表する女性SSWのキャロル・キングやジョニ・ミッチェルとよく比較されるのも頷ける。

 

クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングというスーパースター軍団のスティーヴン・スティルスと結婚するも短い生活に終わると同時に10年にも渡る離婚訴訟、ベルジェへの想いからアルコールに溺れるなど私生活への乱れが作品も影響を及ぼしてしまう。

フランスに帰国後、作品数こそ少なくても高い人気を維持しているという。

トップ・リコメンド

①Amoureuseが一推し。

日頃英語に比べて聴きなれないフランス語で歌っている事を忘れてしまうぐらい、メロディーに馴染んでしまう。

フランスの歌手=イェイェ、もしくはシャンソン歌手の存在が大きいので影に隠れてしまい過小評価されがちだが、独特なヴィブラートで魅了する歌声は一聴の価値あり。

全体を通じてアメリカン・ポップス、日本で言うニューミュージックのようにバンドが加わるモダンな編成は今でも充分通用するサウンド。

フレンチ・ポップスという枠から大きく飛び出して正統派SSW作品として捉えて良い作品。

 

93点

データ

1972年:フランス(Elektra ‎– 42 106)

プロデューサー:ミシェル・ベルジェ

1. Amoureuse
2. Tout Est Cassé, Tout Est Mort
3. L’Irréparable
4. Louis
5. Mariavah
6. Pour Les Michel
7. Pour Qui
8. Vert Vert Vert
9. Besoin De Personne
10. Bahia
11. C’Est Le Moment
12. Dis-Lui (De Revenir)

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