YELLOW BALLOON / YELLOW BALLOON

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60年代に活躍したプロデューサー、ゲイリー・ゼクリーによるプロジェクト、唯一の作品で67年発表。

ジャケットからも想像出来るようにアメリカ西海岸らしいサウンドが特徴のグループだ。

トップ・リコメンド

太陽の日差しが眩しい空の下、砂浜でのシチュエーションと時代を思わせるフラワーなバンドロゴ、ソフト・ロックを形容するサンシャイン・ポップの名に相応しい内容。

何はともあれ全米チャート25位を記録したアルバムタイトル曲⑥Yellow Balloonだ。

ジャン&ディーンのアクシデントでレコーディングされた実質ジャンのソロ作品である『』に収録。

(余談だが、ゲイリーとジャン&ディーン、ブルース・ジョンストン(ビーチ・ボーイズ)は高校の同級生であるという。)

ところが作者であるゲイリーがこのアレンジに納得がいかず、スタジオ・ミュージシャンを集めて自身でバンドを結成して作り上げた本作に収録したという経緯がある。

ゲイリー・ゼクリーについて

そしてもう一つ、この時代の60年代のアメリカンポップス・シーンを担った人物といえばブライアン・ウィルソンとフィル・スペクター。

ブライアンといえば、ビーチ・ボーイズのイニシアチブを握る最重要人物で歴史的名作「Pet Sounds」を生み出した張本人として多くのグループに影響を与え、ポップス・ファンを感動させてくれるコーラス・ワークの天才であり、フィル・スペクターは独特のレコーディング方法「ウォール・オブ・サウンド」で数々のグループを手掛けた大プロデューサーだ。

ご多分に洩れず、そんな2人に影響を受けて自身の作品に活かしていったのがゲイリー・ゼクリーである。

その証拠に初期の楽曲提供した作品では一聴すると本家ブライアン・ウィルソンか、フィル・スペクターか、と思わせるような作風が並ぶ。

彼が手掛けた(というよりその後結成していくバンド)作品は他にもクリークやファン&ゲームスなどソフト・ロック、サンシャイン・ポップ、バブルガム・ポップと称されるグループばかりで、このイエロー・バルーンを機にバンド活動が活発化される。

本作はジャン&ディーンの作品がきっかけとなった部分もあるが、書き溜めていた楽曲を収録したこともあって、非常にまとまりが良く、優れたハーモニーが特徴だ。

ブライアン直系サウンドと呼んでしまいたい①How Can Be Downや②Stained Glass Windowで聴かせてくれる「パパパ」コーラスなどはソフト・ロック・ファン感涙もの。

この2曲とタイトル曲を加えた3曲だけで、本作が優れた作品であることが窺い知れる。

よく言われる「もう一つのPet Sounds」の名に恥じない作品だ。

83点

データ

1967年:アメリカ(Canterbury ‎– CLPM-1502)
プロデューサー:ヨダー・クリッチ(ゲイリー・ゼクリー)

1. How Can I Be Down
2. Stained Glass Window
3. Baby Baby It’s You
4. Panama Red
5. I’ve Got A Feeling For Love
6. Yellow Balloon
7. Good Feelin’ Time
8. Follow The Sunshine
9. Springtime Girl
10. Can’t Get Enough Of Your Love
11. Junk Maker Shoppe

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