お飾りではないベースとヴォーカルを器用にこなすプレイヤーは意外と少ないかもしれない(多くのベース・ヴォーカルのプレイヤーはヴォーカルを重視しているのでベースは落ち着いたプレイが多い)、歌うベーシスト、ケニ・バークの3作目。
シカゴ出身のケニ・バークは少年時代から5人兄弟姉妹によって1958年に結成されたファイブ・ステアステップスのメンバーとして活動し、カーティス・メイフィールドを後見人としてスピナーズやダスティ・スプリングフィールド、ヴァレリー・カーター、ローラ・ニーロをはじめ、様々なシンガー達にカヴァーされた「O-o-h Child」が最大のヒット曲として有名である。
ファイブ・ステアステップスはジャクソン・ファイヴ同様メンバーで楽器を持つスタイルでもあったが、そこでケニはベースを担当。
アルバムに収録されている曲を聴けば分かるが、ライヴでもベースをプレイしながら歌っており、ド派手なことはせずとも、しっかりとリフやスラップなどで楽曲の核となる部分をベースが担っている曲が並んでいるところに好感が持てる。
録音はなんと!シグマ・スタジオ。
シグマ・スタジオといえばフィラデルフィア・インターナショナル・レコードのお膝元。
70年に爆発したフィリー・ソウルの大半が録音されたスタジオだ。
Contents
聴きどころ
そこでまず再生してみると、冒頭1曲目からアフタービートを意識させるドラムにベースのスラップが絡み、そこに女性BGVが乗ってくるファンク・サウンドが炸裂。
シンセの使い方といい、ディスコ全盛時代の象徴、縦ノリを強調したダンス・チューンだ。
②Hang Tightのドラムのビートにベースがリフを弾くスタイルで絡み他の楽器が入ってくる(1曲目と同じ流れではないか!!)
③Can’t Get Enough (Do It All Night)はアース・ウィンド&ファイアーを思わせるイントロが特徴と思ったら、それもそのはず。本家フェニックス・ホーンズがアルバムに参加しているではないか!
どうりで散々アースを聴きまくった私の耳にはノリが良くブラスの使い方がファンキーでカッコ良く感じるわけだ。
また、このアルバムはミドル・チューンも出来が良く、エレピが効いた④Who Do You Loveや⑥One Minute Moreのようにシットリと濡れたヴォーカルが雰囲気を感じる。
⑤Changesは①Shakin’にも通づる作りで、その後に登場してくるデジタル・ファンクの先駆け的なナンバー。このスタイルはケニが得意としている形のよう。
ウラというウラにキメを持ってくる⑧All Nightにはやっぱり聴き慣れているビートに腰が浮いてしまう、間違いない1曲。
トップ・リコメンド
そしてアルバムのハイライトは⑦Risin’ To The Topに尽きる。
どれほどのクリエイターがサンプリング・ネタとして使用したのか想像もつかないが、ダンス・クラシックとして、ソウルのベース・リフ曲として屈指の出来なメロウ・チューン。
特にサビで盛り上がるというわけでなく、淡々としているのに全く飽きさせない(盛り上がり命みたいな昨今のJ-Popクリエイターの方々、こんなスタイルもありですよ!って事で聴いていただきたい)作りが素晴らしい。
ケニのヴォーカルも下手ではないので安心して聴いていられるが、全体を占めるブラスや女性BGVがなんと言ってもキモ。
加えてベーシストらしく、どの曲もとにかくベースが”効いて”いる。
これぞJ-Bass!といった特有のサウンドが楽曲のカラーを印象付けている。
たったの8曲、それゆえなのか捨て曲が全くと言っても良いほど無い、ソウル・ファンならずともAORファンにも充分アピールするであろうオススメな1枚。
87点
データ
1982年:アメリカ(RCA Victor – AFL1-4226)
プロデューサー:ケニ・バーク
1.Shakin’
2.Hang Tight
3.Can’t Get Enough (Do It All Night)
4.Who Do You Love
5.Changes
6.One Minute More
7.Risin’ To The Top
8.All Night
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