STEVE GIBB / Let My Song

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Sagaworld Remaster CD Review
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マイアミを代表するレーベル、T.K.レコード傘下CLOUDSに所属していたシンガーソングライター、スティーヴ・ギブ唯一の79年作。

T.K.レコードといえば出世頭は「That’s the Way (I Like It)」「I’m Your Boogie Man」「(Shake, Shake, Shake) Shake Your Booty」などに代表される大所帯バンド、KC&ザ・サンシャイン・バンドや地名そのままのバンド名マイアミのようにファンク系のレーベルだと思われるが、AOR界隈では何と言ってもボビー・コールドウェルが所属していたレーベルとしても有名だ。

さて、肝心のスティーヴ・ギブが奏でるサウンドは、そういったソウル色に影響を受けたというよりもピアノを主体に歌い上げるピアノマン・タイプ。
実際にアルバムの大部分を占めるのは、そうしたバラード曲で少し鼻にかかったようなクセのある歌声が特徴。

それでも曲の良さが前面に出ているので全く気にならないどころか、これだけバラードを並べても飽きさせないほどのクオリティの高さに驚いてしまう。

 

AORと深い繋がりがある田中康夫氏原作の映画『なんとなくクリスタル』で③Tell Me That You Love Meが使用され日本で有名になった曲であり、カントリー・ポップの大物ケニー・ロジャースが歌いヒット・チャートへ送り込んだ①She Believes In Me、ヘレン・レディが歌った⑤If I Ever Had To Say Goodbye To You、ポール・アンカも取り上げた⑦Look What You’ve Doneなど本作から多くのカバーが生まれ、知名度以上に”知る人ぞ知る”シンガー・ソングライターなのだ。

 

Contents

トップ・リコメンド

個人的には最初に聴いて直ぐに気に入ったのと1曲目という事もあり強く心象に残った①She Believes In Meを挙げたい(何回も書いているが、何の躊躇もなくバラードをアルバム1曲目に持ってくるところもすごい)。

ケニー・ロジャース以外でも数多くのカバーが生まれており、時代を超えて愛される1曲になっている。

先ずはこの優しく切ない曲を聴いて気にいるようであれば、本作は間違いなく”買い”だろう。

ジャケットも敢えてモノクロームなところが◎

 

88点

 

データ

1979年:アメリカ(Clouds – 8807)

プロデューサー:バズ・ケイスン

1. She Believes In Me
2. What Could You Know (About Love)
3. Tell Me That You Love Me
4. Whiskey Dreams & Nursery Rhymes
5. If Eye Ever Had To Say Good – Bye To You
6. Don’t Blame It On Love
7. Look What You’ve Done
8. Just An Ordinary Man
9. Rock Me Off
10. Me & You

モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!

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