エッジの効いた分厚いギター・サウンドと爽やかなコーラス・ワークでウエスト・コーストを代表するロックバンドであったドゥービー・ブラザーズが別バンドとも思えるサウンドを一新したアルバムで１９７８年発表。
メンバーチェンジがかなり激しく、一時期はトリプル・ギターになるなど、ロックバンドとしての王道を歩んでいたドゥービーが本作制作前にグループ結成時から中心人物であり、まさにバンドの顔であったトム・ジョンストン(Vo,G)が健康上の理由から脱退。
代わりに途中加入していたギタリストのジェフ・バクスター(ex.STEELY DAN)が昔のよしみで連れてきたのがマイケル・マクドナルド(Vo,K)である。
パートこそ違うものの、トム・ジョンストン同様ソウルフルでファンキーな要素が魅力のマイケルの加入は抜けた穴を埋めるだけ留まらず、それまでのドゥービーにはなかったポップさ(これが旧ファンの評価が分かれるところだが)が加わり、一気に洗練されたお洒落ポップスバンドに変貌。
それまでのギター・ロック・サウンドから１８０度異なるといっても過言ではない煌びやかなキーボード・サウンドがアレンジに加わった。
とは言え、本作はマイケルが加わってからの３作目なので、かなりバンドに馴染んでからの制作だったのは容易に想像が出来る。
Contents
トップ・リコメンド
アルバム・タイトル曲③Minute by Minute、全米１位を獲得した⑦What a Fool Believes
前者はグラミー賞最優秀ポップ･ボーカル賞を、最優秀楽曲賞を、さらにアルバムは最優秀レコード賞受賞という輝かしい結果を残し、新生ドゥービー・ブラザーズを世間にアピールした。
アメリカン・ロックバンドが付け焼き刃的に作ったポップ・アルバムではないので、骨太な楽曲には説得力があると思う。
ドゥービー＝ロックという拘りが無ければ、すんなりと受け入れられるだろう。
８８点
データ
１９７８年：アメリカ(Warner Bros. Records – BSK 3193)
プロデューサー：テッド・テンプルマン
1. Here To Love You
2. What A Fool Believes
3. Minute By Minute
4. Dependin’ On You
5. Don’t Stop To Watch The Wheels
6. Open Your Eyes
7. Sweet Feelin’
8. Steamer Lane Breakdown
9. You Never Change
10. How Do The Fools Survive?
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