日本屈指のファンキー・バンド、大橋純子 & 美乃家セントラル・ステイション名義の2作目。
伸びのある歌声と圧倒的なパワーでリスナーを魅了し、確かな説得力を持つ歌唱力は日本人離れしている。
そこにポップスらしく多くの作家陣から楽曲提供とバックを務める美乃家セントラル・ステイションの演奏力も強力。
歌良し、曲良し、アレンジ良し、演奏良しと全てが揃っているので、本作を機に大橋純子さん、特にこの 美乃家セントラル・ステイションとの名義を中心に本当にハマった。
本作は『RAINBOW』に続く1977年発表のアルバム。
ソロ名義作品では元々のソウルフルなスタイルが出ていたものの、バンド名義になって演奏も前面に出てきたおかげでスリリングさが加わり、ヴォーカルだけが突出せず一体感がカッコ良さに繋がっている。
Contents
トップ・リコメンド
冒頭アルバム・タイトル曲はシティ・ポップ・ファンからクラブDJ、ソウル、AORファンにアピールするメロウ・グルーヴィー・チューン①クリスタル・シティ。
東京発のフリー・ソウルとも言われるこの曲がアルバムの顔であり、当時としては新しい歌謡曲=ニュー・ミュージックとも呼ばれるサウンドの到来を予感させる。
様々なファン層に受けること間違いなしのこの曲でトップ・リコメンドは決まりだ。
②霧に抱かれて を挟み、もう1曲のハイライト、純子さんの魅力が大爆発のダイナマイト・ソウル③Funly Little Queenie。
その名の通り、弩級のファンク・チューンで、エレピ、ギター、ブラスが核となっており、シャウトしまくるヴォーカルも無条件でカッコイイ。
日本の歌謡界にこんな曲がリリースされていたとは!驚きだが、
続く④男と女のいる舗道はエレピとフルートが印象的なミディアム・メロウ・チューン。前のFunly Little Queenieとの落差が激しいが、これこそバンドの真骨頂。
続く⑤落日風景 ではしっとりジャジーにキメる。
⑥アラビアン・ナイトは美乃家お得意のエスニック・チューン。
こうした変化球でも歌詞とヴォーカル・スタイルがしっかりしているので、決してブレた印象にならず、むしろアクセント、スパイスとしてアルバムの流れに対して実に効果的。
ラスト⑩Like A Sea Gullはサビの展開とストリングス、エレピ、ブラスがアンサブルに溶け込み、泣きを誘うメロディが印象的でオススメ。
改めて聴き返してみるとソウル、ファンクからシティ・ポップ、ジャズ、ワールド・ミュージックと振り幅が大きいのだ。
それも編曲を担当している佐藤健、萩田光雄、土屋昌巳、深町純等の力が大きいように思える。
とにかく捨て曲みたいなものが一切ないので、アルバム全体で聴いていただきたい。
ジャケットはニューヨークを思わせるような新宿西口にある住友ビルディング。
アルバムも当時は、これからさらに発展していくであろう、新宿西口を中心に”街”がテーマとなっているようだ。
日本のポップス史では珍しいので、どうしてもソウル、ファンク・サウンドばかりフィーチャーしてしまうが、歌ものの楽曲が多く、シティ・ポップ史に残る名盤。
94点
データ
1977年:日本(Philips – S-7028)
プロデューサー:川添象郎
1.クリスタル・シティー
2.霧に抱かれて
3.Funky Little Queenie
4.男と女のいる舗道
5.落日風景
6.アラビアン・ナイト
7.夜のハイウェイ
8.炎のヒロイン
9.風のシルエット
10.Like A Sea Gull
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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