Serge Gainsbourg ‎/ Histoire De Melody Nelson

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フレンチ・ポップスのブームを作った仕掛け人であり、自身も歌手として活躍、過激なパフォーマンスや言動で世間も賑わせたフランスの国民的歌手であったセルジュ・ゲンスブール。

元々シャンソン歌手でデビューしたセルジュがプロデューサー業を開始、奥方になるジェーン・バーキンと出会うも、彼女さえも素材の一つとして据えたコンセプト・アルバムが本作である。

Contents

サウンドについて

セルジュは幼少期からクラシックの教育を受けた正統派の音楽家である。

いわば、ミュージシャンとしての下地がしっかり出来ていながら、計算して(自身のコンプレックスなども関係しているようだが)破天荒な作品を残す危うさがセルジュ最大の魅力。

内容は当時としては珍しいMVを見ると分かるが、中年男性(セルジュ)が少女メロディ・ネルソン(ジェーン)と出会うが、飛行機事故の墜落によってメロディを失い途方に暮れる一人の男性の心境を表現した内容。

参加メンバーにはイギリスのジャズ系のミュージシャンを多く起用(中にはあのリッチー・ブラックモアにギターを教えたビッグ・ジム・サリヴァンや数々のレア・グルーヴ、ジャズ・ロックの名盤を残すエレクトリック・ヴァイオリニストのジャン・リュック・ポンティも参加)、特有の複雑な演奏が出来るので、よりプログレッシヴ・ロック的な物語性を持たせることに成功した。

曲数こそ少ないので一見ヴォリュームが少なく感じるが、そんな理由で長時間の曲などもあり聴き応え満点。

これほど完成されたコンセプト・アルバムはそう出会いないと思うほど、聴いているこちらを飽きさせない。

それでいて、その長さを感じさせないスリリングな展開が本当に巧い。

物語の彩りを加えるオーケストレーションやSE的に笑い声を挿入、まるでセルフを読むように語るジェーンの声・・・・。

ロック、ファンク、サイケをジャン・クロード・ヴァニエの力を借りて高次元で融合した作品と言える。

トップ・リコメンドは当然なしで、全編通して聴いて頂きたい。

ジェーン=ロリータ・ブームのアイコンとしてセンスの良いジャケットも◎

 

99点

データ

1971年:フランス(Philips ‎– 6397 020)

プロデューサー:ジャン・クロード・デスマーティー
1. Melody
2. Ballade De Melody Nelson
3. Valse De Melody
4. Ah ! Melody
5. L’Hôtel Particulier
6. En Melody
7. Cargo Culte

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