今やR&Bだけに限らずアメリカン・ポップスを代表するスーパースターとなったマルチ・プレイヤー、ブルーノ・マーズとドラムやギター、ベース、キーボードからヴォーカルまでこなすアンダーソン・パークが結成したコラボレーション・ユニットがこのシルク・ソニックである。
実力者2人が一時的に組んだお遊びユニットで「”今時のR&Bサウンド”に終始しているのだろう」と思われた方は試しにリード・トラックを聴いていただきたい。
マルチ・プレイヤーと言うからには自身も複数の楽器を操れるわけだが、バックバンドも全て生楽器を配置しているブルーノ・マーズ。
サウンドこそジャンル分けすれば「R&B」ということになるが、安易な打ち込みに済ませない(特にドラム、ベースのリズム体)部分に拘りを感じる。
Contents
トップ・リコメンド
トップ・リコメンドとなるトラックは②Leave The Door Open。
この曲は一聴して分かるように60、70年代のフィラデルフィア・サウンドがモチーフとなっており、所謂フィリー・ソウル・マナーに乗っ取ったストリングスが特徴的な1曲である。
とても丁寧に作られていて、自分達の聴いてきたサウンドに対してのオマージュ・・・リスペクトしている気持ちが伝わってくるかのようなサウンド・プロダクションだ。
MVも徹底して70年代愛溢れる作りで非常に好感が持てる。
次いで推したいのが⑧Skate。こちらもイントロのストリングスに耳がいってしまうが、軽快なカッティング・ギターが終始鳴っていてノリもいい。
ラストを飾る⑨Blast Offも甘いミドル・テンポのメロウ・チューン。
これら3曲はマンハッタンズやスタイリスティックスといったコーラス・グループが醸し出すサウンド、スウィート・ソウルに通ずるものがあり、その手のサウンドがお好きな方には堪らない楽曲だろう。
私も入口として、そこにヤラれてしまい、思わず聴き漁ってしまった。
クラブのフロアがよく似合う⑤Smokin Out The Window、ラップが乗る③Fly As Me⑦777など、現代的なクラブ、ダンス・ミュージックも言ってみれば往年のファンク・サウンドを現代風に体現したものだ。
元ジェームス・ブラウンのバンドに参加、Pファンクの顔的存在なベーシスト、ブーツィー・コリンズが、同じくベーシスト兼ヴォーカリストのサンダーキャットも参加しているというトピックはあるものの、そういった話題だけが先行しないどころか反対に霞んでしまいそうなぐらいの楽曲が並んでおり、その充実した内容が尚更強調される。
グラミー賞常連で音楽界の至宝とまで言われるのも伊達じゃない事を証明。
デカ襟のシャツ、ジャケットにレンズの大きなサングラスをトレードマークにしていて、アフロな髪型のブルーノ・マーズとスティーヴィー・ワンダーを彷彿させるアンダーソン・パークは見た目も◎
フィリー・ソウルがお好きな方は現代的にアップデートされたソウル・サウンドを、最近のサウンドしか知らない若い方は往年のヴィンテージ・ソウル・サウンドを、双方のファンが楽しむには良い一枚。
85点
データ
2021年:アメリカ(Aftermath Entertainment、Atlantic)
プロデューサー:ブルーノ・マーズ、ディー・エミール
1.Silk Sonic Intro
2.Leave The Door Open
3.Fly As Me
4.After Last Night (Ft. Bootsy Collins & Thundercat)
5.Smokin Out The Window
6.Put On A Smile
7.777
8.Skate
9.Blast Off
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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