狙っているのか、否か、生み出す作風がメロウ路線で声そのものが癖がなく、柔らかで優しい。
そんなシンガー・ソングライターはAOR枠に入れてしまいたくなるのだが、本日ご紹介するケニー・ノーランもその内の一人。
所謂アコギをかき鳴らして、ひたすらソフトに歌うだけでなく、ファルセットを駆使しながら歌い上げるため彼の作品がソウル・ミュージシャンに愛されたのも頷ける。
タヴァレスやアトランティック・スターといったソウル・グループにも楽曲提供したこともある、ブルー・アイド・ソウルとも言われる路線に定評があるシンガーだ。
本作は1979年に発表された3枚目のアルバムでそれまでの路線からの変更が顕著に見られる、言わば意欲作的な位置にあると思う。
70年代中盤から80年代が主流のAORとはいえ、ブラック・ミュージックからフュージョン、シンガー・ソングライター、ブラジル(MPB)まで多数のジャンルが入り乱れ「ソフト&メロウ」なサウンドが隆盛を誇った時代。
その中でファンク系のグループや『サタデー・ナイト・フィーバー』のビージーズに代表されるようなポップスからの路線変更で一躍ブームになったのがディスコ・サウンド。
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サウンドについて
その名の通り「ディスコ」で人々を踊らせる目的とするサウンドは強烈な定型となるサウンドを残した。
縦ノリを強調し、4つ打ち”と呼ばれ1拍ずつ刻まれるキック、リズムのビートを決定付けるハイハット、この2つが異常なまで大きくミキシングされているサウンドである。
乱暴に言ってしまえば、今の”クラブ”でかかるサウンドの源流だ。
それまでソフト&メロウ路線で名を売っていたケニー・ノーランも時代の波に乗った形。
共同プロデューサーにユルゲン・コッパーズ(ジョルジオ・モロダーお抱えのエンジニアでドナ・サマーも担当)がクレジットされていることからも、本気でこの路線に取り組んだことは明らかである。
サウンドとしては純粋なAORとは言い難いが⑥Maybe I’m Mindless、⑦Us And Love (We Go Together)のようなメロウ路線はAORファンにアピールするところ。
でも、彼には1、2枚目の路線の方が合っている気がする・・・・。
77点
データ
1979年:アメリカ(Casablanca – NBLP 7179 DJ)
プロデューサー:ケニー・ノーラン、ユルゲン・コッパーズ
1. Motor Workout (You Got Horsepower)
2. Wine, Women And Champagne
3. Dancin’ To Keep From Cryin’
4. Ride A Wild Horse
5. Night Miracles
6. Maybe I’m Mindless
7. Us And Love (We Go Together)
8. You’re So Beautiful Tonight
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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