スティーリー・ダン・フォローワーとしても名高いニンバス唯一の作品。
よくもまぁ次々にこういったバンドを発掘するものだ、と改めてリスナーの一人として、日本人の熱心さは凄いと思う。
まったくの無名ローカル・バンドであるが、レコード・コレクターズ誌AOR特集されてからは知る人ぞ知る存在となった。
当然原盤は自主制作なので音源は激レア化してしまったようだが、やはりあちらは無名アーティストでも地力が違う。
演奏能力や楽曲クオリティなど一定のレベルを超えている。
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聴きどころ
こういったバンドでありがちになってしまうのだが、トップ・リコメンドといえる楽曲、つまり他の曲よりもズバ抜けている楽曲がない分、平均的レベルが高いといった感じだ。
元々AOR自体はアルバム全体でのクオリティを重視するのは、これまで何度も述べてきたが、ニンバスもそんな条件に当てはまるバンドの1つ。
最も、このバンドが「AORか?」と言われれば、ちょっと違うと思うが。
フリー・ソウルにしてもフュージョンにしてもAORと共通する部分は多く、時にその中間地点に位置付けされるようなバンドだってたくさんいるわけで、その辺りは日本人特有のハッキリとしたカテゴリー分けをするのではなく、広い視点から聴いたら良いと思う。
その結果、ソウル・ファンクからジャズ、ロックを含む、AOR像がそれぞれ出来上がってくるのではないだろうか。
さて、ニンバスに話は戻るが、確かに時節スティーリー・ダン風の匂いは感じさせてくれるものの、世間で言われるほどフォローワーとして確信犯的な部分も見えない上にハッキリと影響を感じさせる部分もないので、AORファンが求める音像を意識してしまうと、少し違う気がする。
その代わりレア・グルーヴが好きな方にはピッタリであると思うので、「ファンキーで気持ちいいリズムが好き」とか「エレピが入っていればいい」ぐらいの軽い気持ちで音源を探す人向けである思う。
結局またマニアックな存在になってしまうのだが、それも致し方ない。
なぜならば、大衆を意識したキャッチーな音作りではないのだから。
76点
データ
1979年:アメリカ(Not On Label,Nimbus Self-released – 001011XA-811)
プロデューサー:マーク・ゴーヴァー
1. The Eyes Of Love
2. Free Yourself
3. Nezarai
4. Baby You Know
5. Children Of The Earth
6. Enough To Know
7. Open Your Eyes
8. Anna Smile
9. What You Mean To Me
10. Heaven & Love
11. Hold Me Close
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